ここに書いてあるのは「おっちゃんに現れた合併症」です。
すべての糖尿病患者に現れる症状ではない、と言う事はご理解下さい。
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1.無自覚性低血糖の症状
読んで字のごとく、「低血糖の自覚が無い」っちゅ〜状態です。
具体的には・・・
- 持っている血糖測定器で30mg/dlや20mg/dl、Loが表示されても平気
- 数時間前からの記憶がない
- 訳の解からない事を言い出したり不可解な行動(暴れだしたり)をする
- いきなり意識を失って倒れてしまう
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こんなところですね。
2.無自覚性低血糖になる経過
インスリン注射や特定の内服薬を使っている普通の糖尿病患者だったら「 身体中汗をかく 」 「 手が震える 」 「 ゾクゾクする 」 「 気分が悪い 」 etc・・・・ってな低血糖の症状があるはずなんす。でも「 無自覚性低血糖 」ってのはその症状が無いままに血糖が下がるわけですから、、、
脳が活動できないほどに血糖が下がってもおっちゃん自身は解からないわけですヨ。
当然、いきなりぶっ倒れたり不思議な行動もありです。(大笑)
○その1、無自覚になる前の低血糖の様子
まだ低血糖の自覚症状があっても、ある程度低くないと症状は出なかったです。
平成5年の入院中に 「 看護婦さ〜ん、ちっと低そうだから測って♪ 」 と自己申告しながらナースセンターにトコトコ。。
簡易血糖測定器だとかなり低い値が・・・ってか 「 簡易測定器では測定不可能 」 なほど低かったわけで・・・・・
看護婦さんは血糖を上げる為の甘い飲み物を用意しながら 「 検査室にきちんと調べてもらいましょう 」 と採血を始めました。
結構悠長な事をやってたんね(笑)
がっ!、、腕をゴムでしばって注射器をブスッ。。ってのが記憶にないままに
「 おっちゃん!これ飲んで!!ほらっ飲みなさい!! 」と・・・・・(汗)
後から看護婦さんが 「 注射器で採血したのを覚えてないでしょう?意識失ってたわよ 」 と。。。
はぁ。。。。。
こん時の検査室で測った血糖って確か29mg/dlだったかと・・・
で、看護婦さんが後から 「 検査室の最初の測定が26mg/dlで検査技師さんが"この患者生きてるのか?!"と測りなしたら29mg/dlだったからそれで報告を送って来たんだって 」
○その2、無自覚ではなかった初めての低血糖昏睡
平成6年夏、近所に買い物に出かけた時の事。。。
「 低血糖やばそうだな。自販機でジュースでも買うか 」
と、ちゃんと自分で自販機の前に立ったんス。
自販機のジュースのどれを買うか迷う事しばし。。。。。
「 おっかし〜な〜、この自販機お金が入らないぞ 」
とイライラしたのは記憶にありました。
ふと気がつくと隣に知らない人がいて、おっちゃんは手に空になった缶ジュースを握ってます。。
あれれ?!?!
知らない人曰く
「 玄関の鍵みたいのを自販機にグリグリ差し込もうとしてたから"ジュースを買うのか?"と聞いたけど返事がなかったんだよ。様子がおかしかったから私がお金を入れて"どれが飲みたいの?"と聞いたんだけど自販機に顔をくっつけるだけで固まっているからとりあえず適当に選んで手渡したら、"グビグビ"飲んだんだよね。様子を見てたらその後話ができるようになって・・・。まあまあ、良かったね 」 と・・・・・
む゛〜〜〜〜ん゛。。。。。
この後、いつも買い物している商店街でフラフラしていたらしいです。
顔馴染みの商店街だったんすが、
「 あれまぁ、おっちゃんったら、こんな昼間ッから酔っ払って。。。 」
とあきれられてたらしい(汗)
そのうちに、しゃがみこんだまんま動かなくなって、ひっくり返っちゃって・・・・・
んで、 「 どうしたの?大丈夫?? 」 と呼びかけてもおっちゃんは返事しないからめでたく救急車を呼ばれて病院へ。。。
まあ、飲んだジュースがあんまし効果なかったのか・・・・・・・・・・
病院って低血糖昏睡から復活した患者に対してはおおらかなんすよね。
「 おっちゃん、はい、これ。。持っていた荷物 」
と、商店街で買っていた大根やら肉やらなんやらを手渡してくれてから
「 気をつけて帰ってね〜♪ 」 で終わり。。。
おっちゃんはバスに乗って帰りました。
これが「 無自覚に近い低血糖昏睡 」のお初でした。
○その3、初めての無自覚低血糖昏睡
とうとうやって来ました無自覚♪
おっちゃんは22時にN注っていうインスリン注射を打っていました ( 今はインスリンポンプだから打つ必要はないです ) 。そのN注を打つ時には当然「 血糖値 」を測ります。
その夜遅く、連れ合いが 「 プリンが食べたい♪ 」って言い出して、おっちゃんもご相伴に預かったんですね。と言うか、おっちゃんは連れ合いから 「 血糖が200mg/dlもあるんだから食べていいのは半分ね 」 と連れ合いの残りのプリンを食べてたんですが・・・・・(笑)
で、おっちゃんはプリンを抱えたままその場に「 コテン 」と倒れました。
はい、、、お察しの通り、低血糖昏睡です。
しかも食っている真っ最中。。。。。
この22時の血糖値は200mg/dlを超えてました。なんで覚えているかと言うと、後から連れ合いに一所懸命説明したんで覚えてます。
連れ合いは 「 血糖の変動が激しい例 」 として記憶にあるらしいのですが、おっちゃんにとっては「 俺って低血糖の自覚症状が無くなったんだ! 」 と気付いた事件でした。
もう、大パニックです(滝汗)
翌日は主治医の外来診察日ではなかったんですが、病院に直行して主治医を探しまくりました。で、病棟にいた主治医を発見!
センセー、低血糖の症状がないってありですか????????????????????
疑問符の数がおっちゃんの心情を物語ってます。
自律神経障害のひとつに「 無自覚性低血糖 」と言うのがあり、場合によっては脳に障害が残ったり最悪の場合は死亡するとの説明。
主治医の受け持ち患者に実際に低血糖で亡くなった人がいるとの事・・・・・
自分の事でパニックになっていて忘れてましたが、おっちゃんの知り合いにも低血糖がきっかけで亡くなった人がいましたョ・・・。
主治医の説明に次第に冷静を取り戻したおっちゃん。。。
腹をくくらんといかんのか。。。。。。。。。。
3.無自覚性低血糖への対処
この中の項目は
○低血糖を防ぐ手立て
いつ低血糖昏睡になるか恐怖に打ち震えていたおっちゃん。。。。。
そうだっ!!血糖測定をしていれば大丈夫なんだ!
測りまくりましたヨ〜、、、30分おきくらいに。。(汗)
当然、アッっと言う間に血糖測定の試験紙がなくなります。
病院に駆け込んで主治医におねだりダリダリ♪
主治医も無理を聞いてくれてかなりの量の試験紙を処方してくれました。
( この当時はユルくて何枚でも渡してくれたんス )
でもね、、、しばらく経つうちに
「 いくら昏睡が怖いって言っても30分おきに測ったんじゃあ試験紙の無駄じゃんか。。測定の意味があるのか?! 」
って解かったんすよね。
一日にン十回も測定し続けたおかげで、血糖測定するポイントってのがおぼろげに解かって来たんす。
★血糖値で食前Rインスリン単位を変更&一日2回のN注インスリン ( その後レベミルインスリン ) を打っている
- 毎食前
- これから動くゾっ・外出するゾっ、の前
- 動いた・帰って来た、の後
- 動かない・外出しない時ても、食後2時間とか3時間経った頃
- 低血糖(測定して、ね)で甘い物を摂った後
- 一日に2回のN注インスリンの前
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こんなところですな。
「動く前・外出する前」に120mg/dlとか100mg/dlだと、[動く為のエネルギー]=[血糖]に余裕が無いから危険ですやね。
動く前・外出する前の血糖値に余裕があっても、動き回って無事に帰宅した・外出先で喫茶店に入って一休みした、って時に血糖測定しないとガクンと下がっている場合もありですやね。
そんなかんなで平均すると一日に8〜10回くらいの測定になります。
そんなに測らなくても自分が食べた物で血糖値の予測がつくでしょって??
ごもっともなご意見。。。。。
でも、その「予測」をしたくても胃腸障害(クリックすると胃腸障害のページに移動します)の為にバランバランの血糖の動きになるっス。
昏睡まではいかないけど測定したら低かった時の対処ですが・・・
外出時に持ち歩いているバッグに入っている補食セットです。
- グルコレスキュー ( 一包ブドウ糖10g ) を数包 & ブドウ糖タブレット1個3gを数個
- ファンタグレープ160mlボトル缶を一本
こんなもんです。
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測定した血糖値が低い時の対応として、
〇血糖値が70〜90mg/dl程度の時
近くに自動販売機があればジュースを買い、自販機が無ければ手元のファンタ
〇血糖値が70mg/dl以下の時
持ち歩いている 「 ファンタグレープ 」 を一気飲み
〇血糖値が50mg/dl以下の時
「ファンタグレープ 」 + 「 グルコレスキュー 」
です。
おっちゃんの用意している飲み物・食べ物に、チョコレートや飴がありませんが何故でせう?
答えは「チョコレート・飴ではすぐに血糖を上がらない」からです。
おっちゃんが「低血糖だ!」とバッグに用意してあるモノを口に入れる時は、20mg/dl台か30mg/dl台がほとんどです。とにかく急いで血糖を上げたいんですよ。自然とチョコレートや飴玉は対象から外れました。
入院中の低血糖では 「 甘い液体 」 を飲ませてくれますが、あれは 「 ブドウ糖50%液20ml 」 です。ブドウ糖だから身体に入ればすぐに血糖値になってくれるし、液体だから腸での吸収も早いです。
ブドウ糖やジュース類は、血糖値をすぐに上げてくれますけどその血糖値がすぐ下がっちゃう場合があります。持続力がないんですね。だから脂分も含んでいてじっくりと血糖値を上げてくれる 「 お菓子 」 なんかもクチにするのが一番です。
とは言っても、 「 ファンタグレープ 」 なりを飲めば、ある程度の時間は低血糖昏睡を起こさずに維持できます。
「 お菓子 」 の類をバッグに入れて持ち歩いていると、砕けて粉々になるんですよねぇ・・・。
低血糖の時に近くにスーパーなりコンビニなりあれば良いですけど、探しているうちに低血糖昏睡ってのは笑えません。
最近重宝しているのが「 ブドウ糖タブレット 」(一粒3gの固形ブドウ糖)です。
タブレット一粒で3g12キロカロリーですから、一粒をクチに入れても急激な血糖上昇が無いんですよ。言い換えれば、「 低い血糖値を上げ過ぎずに丁度良く維持するのに使いやすい 」 となります。
さらに、連れ合い曰く
「 低血糖で意識がもうろうとしている時に粉状ブドウ糖をクチに含ませるのが難しいし水に溶かして飲ませようとしてもむせるかクチからこぼれ出る。その点ブドウ糖固形タブレットはクチビルに入れさえすれば完全に昏睡になっていない限り、クチの中で自然に溶けてくれるみたい 」
だそうです。
勿論、その時の状態によっては 「 あれだけタブレットをクチに入れたのに下がってしまった 」
とか言うのは、どうしてもありますよ。
○低血糖昏睡になった時の為に
低血糖昏睡で倒れてしまったら自分じゃあどうしようもないっス。
昏睡で意識が無いんだから、お願い助けて。。。。と叫ぶ事もできないわけで・・・・・
どこの病院でも意識不明の患者が運ばれてきた時には、簡易測定器での血糖測定はお決まりとなっているようです。
ただ、救急車を手配してくれるかどうかが重要。。すっげ〜重要です。
と、言うのも、おっちゃんは最初の時 「 酔っ払い 」 と間違われ 「 放っておけぃ 」 と放置されかかった事があるからです。
低血糖昏睡で倒れている時に救急車を呼んでもらう為に、おっちゃんは持ち歩いているバッグに両面入れの定期入れをぶら下げてます。
スイカや私鉄系のICカード、お財布携帯の登場で最近は定期入れを見かけなくなったですが・・・・・(汗)
片側はこんなカードが入ってまふ
もう片側にはこんなカードが入ってまふ
で、定期入れにはメモも入れられるようになっているので・・・・・
このメモが折りたたんで入っています。
折りたたみ方を工夫して「読んでください」が上になっています。
左に表示されているのは縮小した画像です。
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画像サイズ[縦320mm−横220mm]データサイズ26.8KB
4.低血糖昏睡あれこれ
この中の項目は、実際に低血糖昏睡で病院に運ばれた時の話です。
とりあえず、こんなところで
外出中の低血糖昏睡・・・・・
たっくさん、あります。(大笑)
ま、おっちゃんは覚えてない(自覚がない)から、全て周りの人に助けてもらってるんすよ。
○低血糖になった時の為に(クリックで移動します)に書いた定期入れ&中のメモを見てくれて、救急車を手配してくれた上に「糖尿病で低血糖らしい」と伝えてくれているようです。
とってもありがたい事です。
そんな低血糖昏睡の中からいくつかご紹介しま〜す。
○その1、電車に乗っていて
おっちゃんは糖尿病かかりつけの病院に行くのに、電車に一時間乗って行ってました。でも乗換え無しで一本で行けるから楽だったんですよ。
その日、いつものように家を出る前にきちんと血糖測定。。。
安心して出かけられる問題ない血糖値です。
電車一時間は長いから、乗った途端に「あ゛〜なげ〜な。。ス〜、ク〜、、グ〜〜♪」
・・・・・・と、
なんか、自分の身体が自分ではないような感覚で、自分の事を違う所から眺めているような幽体離脱的な?!、世界中(宇宙中?!)の事がおっちゃんの意のままにできるみたいな?!・・・・・不思議な感覚。。。
身体を動かそうと必死になるけれど、全然動かない。。。それ以前に、身体の感覚があるような無いような・・・
身体の状態 ( いま寝ているのか?腕や足はどうなっているのか? ) すらわからない・・・
自分の身体は首すら動かせないしそもそも視線を動かそうとしたり呼吸をしようとすると何やら 「 真空状態 」 = 「 身体がカマイタチに囲まれている 」 ような感覚で、少しでも動かした途端に身体がバラバラになりそうな・・・・・
息をするだけでも身体が 「 カマイタチ 」 に刻まれてしまいそうな・・・・・
まあ、端的に言ってしまえば 「 自分は確実に存在するのだけれど意識だけの存在 」 的な感覚・・・
そのうち、自分で呼吸ができそうな気がしてくると同時に身体に力が籠められそうな気がして来ました。
一生懸命に呼吸をしようと頑張ると共に、とにかく身体中に力を籠めます。
そうこうしていると、自分の周りで何かがザワザワと動き回っている様子が何となく伝わって来て、でも、やっぱり自分の事の様には感じられない。。。。。そのうち何となく周りの状況が解かるようになって来たけどなんか妙に白っぽくて色彩がないぞ?!
・・・・・遠くの方から何か聞こえてくる・・・・・やっぱり何か聞こえるぞ?!
「おっちゃん!おっちゃ〜ん!!解かる??ダメだ・・・・・」
段々はっきりしてきた・・・
同時に 必死にやれば手が動かせるような気がしないでもないし、集中すれば呼吸もできてる気がする!!
しばらくすると、わずかだが身体を動かせる!!!
「おっちゃん!おっちゃん!わかる??おっちゃん!!!」
パシッ!パシッ!っと頬を叩かれる感覚が気持ち良い眼を覚ましてくれます。
あれれ?!看護婦さんだ。。
あれ〜?!腕に点滴が入ってるジャン!あっちゃ〜、やっちまったい。。低血糖昏睡だぁ
「おっちゃん!大丈夫?解かる?」(看護婦さん)
「う〜、あ〜、わぁかぁるぅ・・」(まだはっきりしないおっちゃん)
「覚醒しました!意識レベル**です!」(看護婦さんが報告してんのかな?!)
おっちゃんは、ぐったりとしてたけど、徐々にはっきりしてきた・・・
「あの〜、俺ってどこでどうなったの?」(おっちゃん)
「電車に乗ってたのを覚えてる?駅から救急隊に連絡が入ったのよ」(看護婦さん)
む゛〜ん゛。。。。。
多分、電車内で倒れて周りの人が降ろしてくれたのか、ホームに降りてから倒れたんだと思います。
その後一時間くらい点滴を受けて、血糖値は250mg/dlくらいに。。。
これだけあれば大丈夫、帰れるサ・・・と思ったら、、、、
「 あっちに向かうと駅だけど、途中で何か食べなさいよ! 」( by 看護婦さん )
はい、おっしゃる通りでございます。解かっております。
深く頭を垂れてから帰ろうとしたら、
「そのバッグにぶら下がってるカードのおかげで通報がスムーズだったのよ。メモもとても役に立ったんだから」(看護婦さん)
はいっ。。ありがとうございます!その為にぶら下げてます♪
念の為に、駅員に事情を聞いたのですけど「いや〜、この駅じゃないですよ」でお終い。
しんどくって糖尿病診察なんてもうキャンセルっす。
○その2、役所の中で
これまた、糖尿病診察での病院の帰りの話。
診察って時間かかるんですよね。診察を終えて薬ももらいちゃんと昼飯も食ってから電車に。。
電車?!やべ〜じゃん。。いやいや、そんなこたぁ無い。。。はず
自宅最寄駅に降りて、「さてと、役所で血糖でも測るべさ」
そうなんです。最寄駅から自宅まで歩いて25分くらいかかるんです。で、駅を降りてすぐの所に役所があるんで、おっちゃんはいつも役所のロビーで血糖を測ってから歩いて帰ってます。
「ピッ」。。。げっ、31mg/dlだ。。。。美味しいジュース飲もう!
五百円玉を握り締めて「どれがいいかなぁ」と自販機でジュースを選んでいるうちに・・・・・・・・・・
あれ?!
またしても病院の風景(クリックすると移動します)になりました。(汗)
そうなんですよ。役所のロビーの自販機の前でひっくり返っちゃったみたい。。。
今回は自宅の近くだったせいもあるし「何度も低血糖昏睡で運ばれている病院」の診察券をいれてあるおかげもあったんでしょうな。。。
搬送されたのはいつもの?!病院でした。
意識も戻ってしっかりして来てから、グサッと
「おっちゃん、また来たのね♪」(看護婦さん)
「はい。。。。。すんません。。。。。」
(おっちゃん)
「あ、おっちゃんは無自覚なんだからしょうがないわよね」(看護婦さん、必死のフォロー)
いやね、外出時にいつも持ち歩いているバッグに入っている補食セット(クリックすると移動します)を素直に口にすれば良かったのに「どうせだから美味しいジュースを・・・」と考えたのがいけなかったんですよねぇ。
またひとつ、勉強になりました。
救急隊の人から教えてもらいました。「役所の○○さんがあんたのバッグのカードを見て通報したんだよ」
看護婦さんからも「そのメモ、いいわね〜」とお褒めの言葉を頂きました。
○その3、オルゴールショップで
おっちゃんはオルゴールが好きです。
お品書きの「好きな物」(クリックすると移動します)を見てもらえれば解かります。
オルゴール好きな人の間では有名なお店があります。
オルゴール好きなら一日中いても飽きないってお店が。。。。。笑
おっちゃんはその店で「リュージュ社製144弁モルダウ」を聴かせてくれと頼みました。
「リュージュ社製144弁モルダウ」の詳しい説明は省きますが、64万円もする代物で、おっちゃんには「店で聴く」しかできません。(涙)
しかも、バカデカくて重いもんですから、店の人に頼まないと客が触って壊したら大変です。
う゛〜〜ん゛、、、やっぱり、いいよ。。。。。これ。。。。。。。
「すんません、もう一度ゼンマイ巻いて下さい。あ、あんまし巻き過ぎないで」
とかなんだとかやっていた、、、はず・・・・・
はず?!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
気がついたのは病院の救急処置室。。。(クリックすると移動します)
お゛〜〜〜い゛。。。またしても見慣れている?!風景だよ。。。
救急外来のセンセから「いいカードとメモだねぇ」とお褒めのお言葉を頂いたんすが、その後が、
「こんなに血糖が乱高下するんじゃインスリンの単位が合ってないんじゃない?ここしばらく入院してなさそうだし何日か入院しなさいな」
あぢゃぢゃ。。。。。
後日、オルゴールショップに行って丁寧に謝りました。
そしたら、倒れる前のおっちゃんはオルゴールの脇に20分くらいほとんど横たわってたそうです。
店の人曰く、
「いやぁ〜、モルダウ聴かせてって人にはそういう人多いのよ」だそうで・・・
「でもね、ちょっと様子がおかしいなと思ってたら母親があなたのバッグのカードを見つけたのよ。で、ジュースを飲ませようとしたんだけどダメだったから通報したの」
ふむふむ。。。役に立っとるのぉ♪
まぁ、ともかく、高価なオルゴールの上に倒れ込まなくて良かった。。
○その4、病院で
合併症の中の「胃腸障害」(クリックすると移動します)の中でも紹介しています。
その日おっちゃんは飛び込みで受診に行きました。
おっちゃんのかかりつけ病院は予約制なんすが、予約外の飛び込みでも受診できます。ま、予約の人が終わってからになるからどうしても時間的には遅くなりますやね。
だから診察待ちをしている間に受付の人に「昼ご飯食べてきます」と声をかけて院内のレストランに。。。。。
「なんにしようかな・・。ま、無難なところで"山菜スパゲッチ"だな。。。」
食前血糖値は176mg/dl。(高くもなく低くもなく優秀でしょ♪)
インスリンはR注を2単位プチュ ( この当時のワシのスライディングスケール )
食事終わって外来に戻ったら診察呼ばれてすんなり終了。会計も済ませて後は院内薬局で薬・インスリンや血糖測定の備品をもらうばかり。
番号札を確認したら結構待ちますな。
得意のホケ〜〜〜っとして待ってました。
できあがったので受け取って確認しながらバッグに詰めていた・・・・・はず・・・・・
はず?!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「 おっちゃん!解かりますか??おっちゃん!! 」
ん゛〜〜〜、この感覚はぁ・・・またしても???
「 解かりますか?おっちゃん!!おっちゃん!!解かる? 」
"パシッ!パシッ!" ( 頬を叩かれる音 )
あ、もっと叩いて♪そんなに叩かなくてももう解かるって。。
ここは救急処置室だ(クリックすると移動します)
「 解かる?院内の薬局の前で低血糖で倒れてたのよ! 」
かかりつけ病院に受診に行って、救急外来にも受診しちゃって。。。。。
救急外来のセンセはこのまま帰して良いものか判断に迷ったようで、糖尿病外来のセンセ ( 存在は知ってても直接は知らない ) が降りてきておっちゃんにあれこれ確認します。
「 昏睡は頻繁にあるの? 」(センセ)
「 そうですねぇ、ひと月に一回かふた月に三回くらいかなぁ 」(おっちゃん)
「 お昼ご飯は食べたの? 」(センセ)
「 院内レストランで山菜スパゲッチを 」(おっちゃん)
「 食前血糖とインスリンは? 」(センセ)
「 176mg/dlでR注2単位です 」(おっちゃん)
「 インスリン単位数は大丈夫だねぇ。何か自分で心当たりがある? 」(センセ)
「 胃麻痺があるんで、そのせいじゃないかと・・ 」(おっちゃん)
「 あ、ちゃんと解かっているんだね。じゃあ気をつけて帰ってね 」(センセ)
チャンチャン♪
○その5、昏睡気味で意識がないまま放浪−パン屋&モスバーガー編
さてさて、無自覚性低血糖から来る低血糖昏睡にも慣れた???ある日の出来事です。
おっちゃんは指圧・マッサージ店でマッサージしてもらって気持ち良くなった後、「ほぉ〜〜〜っ」としながら帰宅しようとプラプラと・・・
テクテクテクテクテクテクテク・・・・・・・テクテク、、テ・テ・テ・テ・・・・・・
あれ〜〜?!なんで俺はアップルパイをほおばっているんだ?!
「お待たせしました、モスチーズバーガーでございます♪」
はいっ?!
どうやらココはモスバーガーらしい。。。座ってるし・・・・・ところでいつ店に入ったんだ???
必死になってマッサージ店を出てからの事を思い出そうと・・・・・
う〜ん、、、、、思い出せない。。。。。
あれっ?手元にあるビニール袋に入った食いかけのデニッシュパンやらスポンジケーキは何??
ビニール袋の中を良く見たらレシートがあるじゃん!
買った覚えも食った覚えもねぇっ!
とにかく、アップルパイとモスチーズバーガーを食ってから(ええっ?!)モスバーガーからマッサージ店に向かって戻って行ったら・・・
あった!!レシートのパン屋だ!!
店に入った瞬間、おっちゃんに視線が集まるのを感じました。。。
「ご免下さい、あの〜自分、何かおかしな事しませんでした?」
ザワザワザワ・・・・
そのうち年配の店員が説明を始めました。
「入って来てトレーを抱えたまま動かなかったんです。"何かお取りしましょうか?"と聞いても固まったままで。そのうち、トング使わずに手づかみでトレーに取ってレジに来まして。"○○○円いただきます"と言っても黙って財布をこちらに差し出すだけで。仕方なくあなたに見せながらお金をいただいてレシートも袋に入れて渡しました。そしたらその場で食べ始めたので他のお客の手前、店外に連れ出させてもらいました」
む゛〜〜〜〜ん゛。。。。。。。
おっちゃんはマッサージ店を出てから昏睡にはならない程度の低血糖のまま歩いていたらしい。「昏睡にはならない程度」とは言っても「記憶にない」わけですよ。パン屋に入った覚えもモスバーガーに入ってアップルパイとモスチーズバーガーを注文した覚えもないんですよ。
ま、覚えは無くても本人は「血糖を上げにゃあぶね〜ぞ」と考えたんでしょうな。だからパン屋に入りのモスバーガーに入りのの。。。。。
あのパン屋にはもう行けない。。。。。(大笑)
5.二種類の無自覚性低血糖 (無自覚性低血糖は治るの?!)
無自覚性低血糖には二種類あります。
- 「 高血糖の影響で自律神経自体が傷んで低血糖症状がなくなった 」=「 自律神経障害合併症 」
- 「 意識を失うような重症低血糖を繰り返す事で低血糖症状がなくなった 」=「 低血糖慣れ 」
この二つです。
1.「 高血糖の影響で自律神経自体が傷んで低血糖症状がなくなった 」について説明しようとすると、 低血糖の症状が現れる仕組み の話をしなくちゃいけません。
説明が長くなってしまうし、医学的用語が並んでしまいますますが、ご勘弁ください。
低血糖時に働く身体の自己回復機能として 「 副腎髄質から分泌されるアドレナリンホルモン 」 が大量分泌されます。
この 「 アドレナリンホルモン 」 は、身体中に何種類もあるホルモンの中で、唯一 「 過剰分泌の自覚症状があるホルモン 」 です。
「 アドレナリンホルモンの過剰分泌自覚症状 」 これこそが 「 低血糖の自覚症状 」 なんです。
「 副腎髄質のホルモン分泌は自律神経である [ 交感神経 ] に支配 」 されています。
高血糖の影響で自律神経自体が痛んでしまうと、 「 低血糖の時に副腎髄質へのアドレナリンホルモン大量分泌指令 」 が届かなくなります。
「 アドレナリンホルモンの過剰分泌 」 がないのだから当然 「 ホルモンの過剰分泌自覚症状 」 = 「 低血糖自覚症状 」 は現れません。
これが 「 自律神経障害による無自覚性低血糖 」 です。
「 自律神経障害による無自覚性低血糖は低血糖症状を取り戻す事はできない 」 と理解してください。
2.「 意識を失うような重症低血糖を繰り返す事で低血糖症状がなくなった 」については、低血糖症状を取り戻す事ができます。
これまた面倒くさい説明が要るのですが、一言で説明してしまうと 「 意識を失うような重症低血糖は低血糖症状が現れる血糖値数値が少しだけ下がる 」 のです。
重要なポイントですが・・・
「 低血糖症状が現れる血糖値 」 と 「 低血糖で意識を失う血糖値 」 は、 完全に別です。
通常は 「 低血糖症状が現れる血糖値 」 が高いから先に来て 「意識を失う血糖値 」 の方が低いので後から来ます。
これが逆転したらどうなるか?!
意識を失うような重症低血糖を繰り返すと、低血糖症状が現れる血糖値がそのうち 「 意識を失う血糖値 」 を下回ってしまい 「 いきなり低血糖昏睡 」 となります。
言い換えれば 「 低血糖症状が現れる血糖値数値を上げさえすれば意識を失う ( 低血糖昏睡 ) 無自覚性低血糖から抜けられる 」 という事です。
具体的には 「 意識を失うような重症低血糖を数ヶ月〜一年・二年起こさない 」 事で、無自覚だった低血糖が改善して低血糖症状を自覚できるようになります。これは糖尿病を扱った本にも同様の記載がありますし糖尿病専門医であれば周知の事です。さらに、おっちゃんの知り合いの1型患者は 「 2の無自覚性低血糖 」 だったのにしっかりと自覚症状を取り戻しました。
「 低血糖無しの生活を続けたらA1cが上がっちゃうじゃん、どうすんの? 」
もしもし?! 「 意識を失うような重症低血糖を起こさないようにする 」 んだよ?!
低血糖無自覚で昏睡を繰り返して脳障害や最悪死ぬかも知れない生活と数ヶ月〜一年・二年の間のA1c上昇とどっちを選ぶの?
答えは簡単ですよね。ちょっとくらいのA1c上昇さえ我慢すれば低血糖昏睡を心配する必要はなくなるんです。ましてや、一年くらい血糖コントロールが悪くたって、すぐさま合併症なんて出てきません。
※ただし、他の理由から厳格な血糖コントロールを求められている時には半年くらいのA1c上昇が許されない場合があります。
それから 低血糖に慣れると無自覚になる と言う事で、必要以上に低血糖を怖がる知り合いがいます。 2. 「 重症な低血糖を繰り返す事で低血糖症状がなくなった 」 については 昏睡を起こすような低血糖を繰り返す 事で低血糖症状が現れる血糖値が急速に下がります。( センセはそう説明してくれました )
普通の低血糖を繰り返していてもさほどではありません。あまり神経質になる必要はないのでは?!と、おっちゃんは勝手に思ってます。
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