ここに書いてあるのは、あくまでも 「 おっちゃんのヘモグロビンA1c値 」 です。
2013年4月よりヘモグロビンA1c値の表記が国際標準値 ( NGSP ) 値に完全移行しました。
このホームページでも、国際標準値 ( NGSP ) にて表記してあります。
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このページの目次
(クリックすると移動します)
◎おっちゃんのヘモグロビンA1c
◎なぜこんなヘモグロビンA1cに?
◎現在のヘモグロビンA1cについて
◎血糖コントロールの急激な改善と網膜症
◎おっちゃんのヘモグロビンA1c
このホームページに書かれている合併症の様子を読んで、 「 この合併症が現れるまでのヘモグロビンA1cっていくつくらい? 」 と知りたい人がほとんどだと思います。
残念な事に合併症の症状毎に 「 ヘモグロビンA1c何%がどのくらい続いたから・・・ 」 と表現するのは無理です。
おっちゃんは1型糖尿病発病二年後から 「 10年間に渡ってヘモグロビンA1c 10%〜13% 」 が続きました。この血糖コントロールがホームページに書いてある合併症を引き起こした、と、おっちゃんは考えてます。
起立性低血圧・排便障害が現れて治療の為に糖尿病治療を得意とする病院に平成3年に転院してから、血糖コントロールは劇的に改善されました。それまでのほぼ半分の 「ヘモグロビンA1c 6.5%〜7.5% 」が一年半程度 続きました。
その後、増殖性(重症)網膜症を抱えながら転居・転院先を探すうちに再び 「 ヘモグロビンA1c 10%台 」が数ヶ月間 続いたけれど、網膜症治療の為に入退院を繰り返し 「 ヘモグロビンA1c 8%前後 」 に落ち着きました。
無自覚性低血糖となってから現在に至っては 「 低血糖昏睡にならないように注意する」生活で 「 ヘモグロビンA1c 6.5%〜7.0% 」を数年間維持しています。
◎なぜこんなヘモグロビンA1cに?
おっちゃんが1型糖尿病発病時に通っていた病院じゃあ空腹時血糖値しか測ってくれなかったっス。だから、発病から三年間は空腹時血糖値しか診てないっちゅ〜事ですやね。
高校卒業と同時に田舎から都会に出て就職。会社の近くで 「 おいら、若年型糖尿病(1型糖尿病の昔の呼び方)なんだけど診ておくんなまし 」 と総合病院に飛び込んだけど、診察の時に主治医から聞くのはやっぱり空腹時血糖値のみ。
でも、そこで主治医から 「 混合型インスリン(速攻型インスリンと中間型インスリンの混ざったやつ)を使いたいから入院しろっ! 」 としつこく誘われるも 「 就職したばっかで入院なんてできるわきゃね〜べ! 」 と拒否しまくり・・・・・
転勤したから病院も変えて・・・・・、ここの病院で 「 血糖コントロール目的の入院 」 ってのをしたけど、やっぱり主治医がクチにするのは空腹時血糖値のみ。。 「 ヘモグロビン 」 の 「 ヘ 」 の字の説明も無く・・・・・・
再度転勤。だからやっぱり病院も変更。その頃会社は隔週の週休二日で、土曜日しか病院に行けない上にインスリンが無くなったら病院に行くって不良患者。自然と主治医は決まってなく行く度に違うセンセ。
この時点で発病から10年が経っていたけど、外来で 「 ヘモグロビン 」 って言われた記憶が無いんすよねえ。
ここの病院で「 起立性低血圧 」(クリックすると移動します)の為一年近くの入院の末に、糖尿病治療を得意とする病院に転院。それが平成3年です。この転院の時に紹介状を盗み見て(笑)、自分の 「 ヘモグロビンA1値 」 を知った気がする・・・・・(笑)
その値は、 15%!
一応、説明させてくださいな。当時はあくまで 「 ヘモグロビンA1値 」 で、まだまだ 「 ヘモグロビンA1c値 」 じゃないんすよ。A1値は現在のA1cより2%ちょい高く出るはず。
うだうだと説明しましたが、そんなかんなで結局、発病から11年程は 「 ヘモグロビン重視 」 ではなくて 「 空腹時血糖値重視 」 の診察・治療だったわけですよ。空腹時血糖値がいくら高くても自分で 「 食ったから・・ 」 と納得しちゃうってのがいけなかったんでしょうが・・・・・・
はい、言い訳です。(汗)
◎現在のヘモグロビンA1cについて
「 おっちゃん、合併症抱えての生活だったらもっとA1cを下げて症状が良くなるようにしたら?! 」
はい、ごもっともなご意見。。。
ただね、おっちゃんは今 「 無自覚性低血糖でいつ低血糖昏睡になるか解からない状態 」 なんですよ。
おっちゃんの毎日の生活の中で、一番危険なのは低血糖昏睡です。。全く予兆無く、いきなりバタンっ!と倒れて意識失なっちゃいます(低血糖昏睡)から。。(滝汗)
でも、血糖測定をしてえらい低い血糖値だとしても、昏睡にならなけりゃ良いわけです。そりゃ〜いつ測っても20mg/dlだ30mg/dlだってのは勘弁してもらいたいけれど・・・・・
ヘモグロビンA1cを下げようとすると自然と低血糖が増える、それはイコール低血糖昏睡を起こす確立が高くなる、っちゅ〜事です。
現在おっちゃんが抱えている合併症が悪化せず更に新規の合併症(足壊疽や腎臓機能低下)にならないように気をつけながら低血糖昏睡を起こさないでいると、自然にヘモグロビンA1cは8%程度になります。
まあ、眼科主治医曰くは、 「 合併症を防ぐコントロールとしては A1c値7%以下 を目標に設定されているのは解ってますよね?でもね、実際には7%の人でも網膜症現れる場合がゼロではないんですよ 」 だそうです。
ともかく、糖尿病主治医とも 「 8%台にならなければ良しとしよう 」 で合意してます。
●CSII ( 持続皮下インスリン注入療法 ) を使い始めて
2015年12月からメドトロニック社ミニメドインスリンポンプ+SAP療法を使い始めました。
これ以降、ヘモグロビンA1cは改善をしています。
2024年12月時点で、インスリンポンプを使い始めてからの最良A1cは6.2%、最悪A1cは8.6%です。
最悪、と言うのは、ペン型注射器からインスリンポンプに切り替えた時点のA1cで、ポンプ導入からしばらくは横ばいだったのが、使い慣れてくると同時に下がり始めました。
2022年11月〜2024年12月にかけてのA1cは、6.2〜7.2%で安定しています。
◎血糖コントロールの急激な改善と網膜症
「 1型糖尿病(IDDM)ホームページ 」 をながめていると、 「 血糖コントロールを急に良くすると網膜症になるって聞くけれど・・ 」 と言う質問や書き込みを沢山見かけます。
これは当たっているようで当たってません。
すでに網膜症がある人が血糖コントロールを急激に改善すると一時的に網膜症が悪化する場合がありますが、網膜症の無い人が急激な血糖コントロールの改善をしても網膜症が現れる事はありません。
これは今まで6人の眼科医から直接聞いた話なので、まず間違いは無いです。
それから掲示板なんかでの質問で多いのは、 「 網膜症が進んだけどA1cを急激に下げるのはダメなんでしょう?! 」 と言うヤツでさ〜ね。
これって微妙な勘違いがあるかも知れません。
確かに、眼科のセンセは 「 A1cを急に下げるのは良くない 」 と言います。その一方でセンセは 「 網膜症手術前はなるべくA1c下げて下さい 」 とも言います。
じゃ〜、一体どうしろと?????
複数の眼科医に確認したのですが、 「 悪影響の出るA1cの下げ幅は解からない。そういう臨床データもない 」 との事です。ですが 「 ふた月か三月で1%程度の下げ方なら問題無い 」 と言う眼科医が複数いました。
血糖コントロールの急激な改善直後は網膜症の悪化が見られる事が確かにあります。でも、それが本当に血糖コントロールの改善の結果によるものなのか、長年の悪い血糖コントロールの結果が今になって現れているのかはワシらには解りません。きっと眼科医にも解らないのではないでしょうか。
「 同じ網膜症の状態ならば、A1c10%で治療を開始するよりもA1c7%で治療開始した方が良いんだよ 」 と眼科医は言います。
1983年から10年間に渡ってアメリカ・カナダで行われた大規模臨床研究 ( DCCT ) の後追い調査からも 「 ヘモグロビンA1cの低下は一時的な網膜症の悪化を見るが、ヘモグロビンA1cが高いままでの網膜症治療の予後と比較すると急激にでも下げた方が治療後の予後は良い 」 とはっきり結論づけられています。
やっぱりヘモグロビンA1cは高いよりも低い方がいいんです!
ただ、下げ方とその後の結果については、治療後に残った視力や本人の 「 考え方 」 ・ 「 受け止め方 」 にも左右されると思います。
増殖性 ( 重症 ) 網膜症を患っているヘモグロビンA1c10%の糖尿病患者がいて、視力が1.5あったとします。網膜症治療 ( 延々とレーザー治療&たび重なる手術治療 ) を始めるにあたってA1cを急激に7%に改善したとします。治療後視力が0.1となった時に 「 こんなに見えなくなったのはA1cを急激に下げたのがいけなかったんだ 」 という考え方をするか 「 これだけ視力が残ったのはA1cを急激に下げたのが良かったんだ 」という考え方をできるか。
結局のところ、網膜症治療がひと段落した時に残っている視力と自分のヘモグロビンA1c値の推移を 「 結果 」 として受け入れないとなりません。その 「 結果 」 をどうとらえるか・・・・・
難しいところです。
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