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★皮膚疾患 疥癬( カイセン )

「疥癬」は糖尿病合併症ではありませんが、網膜症治療の入院中に現れた皮膚疾患なので記載します。
ここに書いてあるのは「おっちゃんに現れた症状」です。
すべての糖尿病患者に現れる症状ではない、と言う事はご理解下さい。

このページは、「マルホ株式会社 疥癬」と、今はページがありませんが「岩手県医師会 疥癬感染防止マニュアル」
を参考にし、一部引用しました。

このページの目次 (項目をクリックするとその部分に移動します)
1.疥癬(カイセン)って何?!
2.疥癬(カイセン)の症状
3.おっちゃんの疥癬発症から診断まで
4.疥癬の治療
5.準隔離患者(重症者)としての扱い

★★疥癬(カイセン)は糖尿病合併症ではありません★★
あくまでも、網膜症治療の入院中に現れた皮膚疾患です。
おっちゃんには強く印象に残っているのですが、たまたまなってしまっただけです。
糖尿病合併症ではないことを十分にご理解ください。


1.疥癬って何?!
ヒゼンダニが皮膚内に寄生することによっておこる皮膚疾患です。
疥癬の症状の「かゆさ」はヒゼンダニそのものが引き金ではなく、糞や脱皮したヒゼンダニの体皮に対するアレルギー反応によって「かゆさ」が現れるそうです。

疥癬は「通常疥癬」「角化型疥癬」もしくは「ノルウェー疥癬」(角化型・ノルウェー共に重症型とも)に分かれます。
寄生するヒゼンダニの数の違いだそうです。
「通常疥癬」の場合は多くても1000匹程度ですが、「角化型疥癬」ともなると100万〜200万匹、時には500万〜1000万匹のヒゼンダニが寄生するそうで、感染力も強力になります。集団生活の中での「角化型疥癬」は個室隔離するように、と、各ホームページでは書かれています。

「角化型疥癬」になる人は、高齢で体が弱っている、重症感染症や悪性腫瘍などの基礎疾患がある、ステロイド剤や免疫抑制剤を投与されているなどの理由で免疫能が低下している人にヒゼンダニが感染することで発症するそうです。
「糖尿病である」という事自体、基礎疾患を持っていてなおかつ抵抗力が弱くなっています。

ダニが原因、とは言っても「不潔にしていたら疥癬になる」のではありません。ワシは入院中シャワーと蒸しタオル身体拭きを毎日やり、その都度下着を替えて一日おきにパジャマも替えていたにもかかわらず疥癬になりました(汗)。

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2.疥癬(カイセン)の症状
まずは、とにかく「かゆい」です。
特徴的なものとしては「ヒゼンダニ」が皮膚に入り込んで移動した痕跡=「疥癬トンネル」や、卵が孵化して皮膚内から体表に現れ出た跡が残る、と、皮膚科のセンセが話してました。

あと、皮膚科病変的な言い方をすると「丘疹 (キュウシン)」。これは10mm未満の硬く盛り上がった病変だそうです。虫さされ的なものがこれにあたるそうです。
それから「結節」っちゅ〜のんがあるらしいんすが、ワシの理解できる範囲を超えていますので書きません。(汗)

症状(特にかゆみ)が現れるのはどこが多いかと言うと「わきの下」、「腕の内側」、「膝の裏」、「太ももの内側」、「お尻」それから「陰部」=「お股」だそうです。

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3.おっちゃんの疥癬発症から診断まで
糖尿病網膜症治療で入院中のお話し。
ある日、漠然と「シャワー浴びられる時には浴びてるし蒸しタオルで身体拭きもやってんのにそこいらへんがかゆいな〜・・」と。。。
そのうちかゆい場所が身体中あちこちに広がって。。。
数日後、夜中に背中をかきむしっていて目が覚めました。(この頃、五十肩で背中に手を回すなんて不可能だったはずなんすが・・・笑)


夜が明けて日曜日。ナースセンターに行ったら主任看護婦さんが何やら書き物をしていたから
「ねえ主任さん、そこいらへんがかゆいしプツプツしてるんすよ。皮膚科受診した方がええんでしょうか?」(byおっちゃん)
「えっ?!・・・・・・・・おっちゃん、・・・かゆいんですか?!」(by主任さん)

主任さん、その妙な間はなに?!

「・・・・今日は皮膚科の部長先生が当直で病院にいるから、今すぐココで診てもらいましょう!」(主任さん)

うへっ、皮膚科なんぞ外来でいいのになあ。大体、皮膚科に新規受診するのに新たにカルテ作るはずだよな?!まっ、今日皮膚科の部長がいて病棟で診てもらえるならそれが楽チンか。

で、病棟の処置室で皮膚科部長とご対面。
「おっちゃん、自分で服を脱いでください。下着まで全部脱いだらかゆいところが私に見えるように身体を傾けて。そうそう。ふんふん、なるほど。他にかゆいところは?」(by皮膚科部長)
「あの〜、陰嚢 (キンの玉ですな) の横側がかゆいんですが・・・」(byおっちゃん)
「じゃあ、おっちゃんが自分で陰嚢をひっくり返してください。はい、見えました。ふむふむ。はい、ご苦労様。もう服を着て良いですよ。後で看護婦さんから話を聞いて下さい。それから明日、外来で皮膚サンプルを取って状態を判断します」(by皮膚科部長)

病棟の主任看護婦さんがワシの部屋に話に来ました。

「おっちゃんは[疥癬(カイセン)]って言う皮膚病にかかっています。この皮膚病は[ヒゼンダニ]ってダニが原因です。ううん、おっちゃんのせいでダ二が湧いたのじゃない事は病棟のスタッフみんながわかっていますよ。しばらくはかゆみ止めや他の塗り薬が処方されるからその時にまた説明しますね」

皮膚科部長センセは病棟処置室でワシと対面した時にワシの身体を眺めただけで、ピンセットでどこかつまんで皮膚をひっぺがすとかは、な〜んもしませんでした。
後から聞いた話ですが、その時点ですでに疥癬特有の症状があちこちに現れていて皮膚サンプルを取る以前に部長センセは見ただけで疥癬とわかっていたそうです。

病棟処置室での皮膚科部長センセの言うとおり、翌日には皮膚科外来で三か所か四か所くらいの皮膚を取ってその日のうちにワシの疥癬の状況がはっきりしました。


ずいぶん後からわかった事ですが・・・・・
おっちゃんが疥癬にかかった当時、おっちゃんが入院していた病棟の個室には「疥癬にかかって個室隔離された患者」がいて、個室に空きがなかったそうです。
さらに、他の階の病棟でも疥癬患者はいたそうです。(この情報は喫煙所で仕入れました−笑)

まあ、どこが感染の大元なのかは分からずじまいでしたが・・・

ワシが主任看護婦さんに「かゆい」と言った時の微妙な間はこれが原因だったんすね〜(笑
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4.疥癬の治療
二種類の軟膏と入浴剤が処方されました。

硫黄軟膏   副作用の少ない殺ダ二剤
1回/日 入浴後に
オイラックス軟膏  かゆみ止めと聞かされました
2回/日
六一〇ハップ(ムトーハップ)  液体入浴剤
入浴時に指示された量のムトーハップを浴槽に入れる
γ-BHC軟膏   退院時に処方されました
1回/日 首から下の全身に塗る  一週間の間隔を空けて二回塗ったらおしまい
塗ってからきっちり6時間後に風呂に入って洗い流す
有機塩素系殺虫剤であり、国内では製造販売されていない
  ( 当時は処方されましたが現在はわかりません )

硫黄軟膏ですが、皮膚がガサガサになりました。
「首から下に塗るように」と言う指示なんですけれど、使い始めてから何日かしたらガサガサを通り越してカサブタになってしまい、特に首の回りがカサブタで固まってしまいました。
カサブタで首が固定されて横を向こうとすると、カサブタがピキッ!と割れてそこから体液がにじみ出てきちゃいます。
寝がえりを打とうとしてやっぱりピキッ!となって枕やシーツが体液で汚れちゃいます。

いくら素人でも「この首は硫黄軟膏のせいだよな?!」と気付きます。

で、最初に疥癬と診断を下して硫黄軟膏を処方した皮膚科部長センセに首を診せて
「これって硫黄軟膏のせいではないでしょうか?」と聞いたんすよ。
ほしたら部長センセ、
「いいえ、あなたが掻いたからです。このまま硫黄軟膏を塗ってください」と。。。。。

え〜〜〜〜〜?!っとは思いましたけんども、そこまで言い切られたらねえ。。


でも、2日経ったらカサブタがもっとひどくなるから
「部長センセ以外のセンセに診てもらいたい」と頼んで皮膚科外来で診てもらいました。
ほしたら何の事は無い、「あ、硫黄で焼けちゃったんですね。ステロイド剤の軟膏をだすからそれを塗って硫黄軟膏は休んで様子みてください」


チャンチャン。。

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5.準隔離患者(重症者)としての扱い
上の方で「状態を判断するために皮膚のサンプルをとる」と書きました。( 3.おっちゃんの疥癬発症から診断まで )
三か所か四か所の皮膚サンプルを取って調べた結果、ヒゼンダニの糞や脱皮した体皮はあったけれどヒゼンダニの卵はみつかりませんでした。

マルホ株式会社「疥癬」 岩手県医師会「疥癬感染防止マニュアル」 の二つのホームページをのぞくと、 集団生活での角化型疥癬は個室隔離 となっています。
でも、おっちゃんが入院していた病院では、 皮膚サンプルにヒゼンダニの卵があったら個室隔離 されていました。当時おっちゃんは大部屋に入院していました。

卵は見つからなかったけれど、症状・病状としては重症型疥癬の状態。。。

医師・病棟スタッフが下した結論は、「個室隔離患者に準ずる扱い」となりました。

要するに

1. 血圧計や聴診器はベッド横におっちゃん専用の物を置く (他患者と共用しない)
2. 行動に制限はつけない (トイレ・売店も可) が、なるべく部屋にいる
3. 部屋から外に出る時には、なるべく肌をさらさない ( ダニの糞や死がいをまき散らさない )
* 長袖長ズボンを着こむ
* すねまである靴下を履いて長ズボンの裾を靴下に入れ込む
* 長袖の上からガウン (ナイロン製?ポリエチレン製?で首元がきちんと留められる) を着こむ
* 使い捨ての手袋をはめる
* 給食センターなどで見かける帽子をかぶる
4. 部屋の外に出た時には、なるべく物にさわらない
5. 食事の下げ膳はおっちゃんが自分でせずに看護師に任せる
6. 入浴は病棟で一番最後に入る

こういう入院生活を送りなさい、っちゅ〜事でした。

3番目の項目の姿で喫煙所にタバコを吸いに行っていたおっちゃんは、鈍感??それとも強者???
でも、喫煙所仲間は
「あれ?!入院が長いと患者からセンセに昇格できるの??まるで手術室や研究室から出てきた格好じゃん♪」と笑ってました。


それはともかく・・・
3番目にある「ガウン」の扱いを指摘された時と5番目の「下げ膳は看護師に任せる」ってのを目の当たりにした時は結構ショックでした。

脱いだガウンは点滴フックにかけておくように言われてたんすよ。毎日交換するんじゃなくて、二日くらい使ったら替えてました。
で、何気なく「脱いだそのままをフックにかけた」らガウンの内側をオモテにしてぶら下げていたんす。
それを見つけた看護師さん、
「おっちゃんに触れた側は汚染されている。それをオモテにしていてスタッフがガウンに触れてしまうとスタッフが汚染される。逆向き、おっちゃんの身体に触れた側を内側にしてかけておいて」

う〜ん。。。。。。

食事を食べ終えてナースコールを押して「食事終わりましたから下げ膳をお願いします」と告げたらやってきた看護師さん、
ワシの眼の前で使い捨て手袋を装着してお膳をそっくりビニール袋に入れて床に置くと、手袋もビニール袋に脱ぎ捨ててそのままビニール袋のクチをがっちり縛り上げて持っていきました。

う〜ん。。。。。。

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